| クレジットカード関連法 ここではクレジットカードや消費者金融、クレジットカードに関係する法律についてお話します。法律は理解しにくいものが多いですが、クレジットカードを利用するうえで必要な部分のみを抜粋してお話します。特に貸金業法については法改正もあり重要な部分となりますので、一度は目を通しておいたほうがよいでしょう。法律の知識は知らないと損をするところもたくさんあります。 貸金業法 貸金業法はクレジットカード事業の中ではキャッシングの部分を管轄する法律となります。銀行法で管轄される企業以外の業者がお金の貸付をするときはこの法律に従うことになります。ご承知のようにこの貸金業法は2006年12月に大幅な改正が行われ、そこから3年以内には完全に改正が施行される予定です。このコーナーでは改正後の内容も含め貸金業法の概要の解説を行っていきます。 貸金業法:登録 銀行以外でお金を貸付する業務を行う場合は登録が必要となります。通常は都道府県知事に登録申請しますが、2県以上で業務を行う場合は、財務局への届出が必要となります。登録の有効期限は3年なので、3年ごとに更新の手続きも必要となります。更新の都度登録番号の( )内の数字が増えていきます(登録番号の例:○○県知事(1)第00123号)。しかし、法令違反があれば当然更新が認可されないので、違法な業者は会社名や代表者を変えて新規登録をすることになるので、いつまでたっても(2)になれないのです。 登録の期限は3年でその時点で再度更新の申請を行うことになります。現実問題として有効期限切れの状態で貸付はできないため、更新手続きは期限切れの2〜3ヶ月前までには完了しておく必要があります。申請書類の審査機関もあるため早めの申請が必要になるということです。 更新手続きは新規の申請とまったく同じ手続書類が必要となります。闇金対策以来店舗が実際に存在しているかどうか写真や、事務所の賃貸契約書の写しまで添付する必要があります。また、広告などに使用する電話番号・ファックス番号などのすべて届け出る必要があり、全国ネットの大規模な企業ではかなりの手間がかかります。しかし、現実問題として闇金は登録が認可されなくても影響はなく、そもそも法律を守る意思がないのですから、登録申請自体行うことはないので、申請書類が複雑なのはまともな企業にとっては迷惑な話となりますが、未登録業者として厳しい罰則を適用するためには必要なことです。 貸金業法:貸金業協会 貸金業協会は各都道府県に設置され、事務手続き書類のチェックや会員の研修などの教育、貸金業務取り扱い主任者講習などを行っています。貸金業者と行政(財務局)との間にあり、連絡の伝達や登録に関するチェックなども行っています。 また、消費者に対しては貸付の禁止を受け付けたり、その解除を行うことも業務のひとつです。つまり家族などが借りすぎている場合貸付をしないよう貸金業協会を通して会員業者に通達することができます。本人が健康保険証を紛失した場合など悪用を防ぐための連絡を行うことも可能です。 2006年の貸金業法改正でも貸金業協会の立場を強化する方向で改正されています。それまでは各都道府県の貸金業協会をとりまとめる団体であった全国貸金業協会連合会が、日本貸金業協会として全国的な組織に生まれ変わっています。 貸金業法:取立て行為の規制 下記の行為は禁じられており違反すると業務停止や登録取り消しもありえます。 1.正当な理由がなく、時間外(夜9時から朝8時)に督促したり、勤務先に督促すること 2.借り入れ事実を第三者に明らかにすること 3.債務者(借りた人)以外(保証人除く)に返済を要求すること 4.債務者が弁護士や司法書士に債務の整理を依頼し、その旨の通知を受け取った後に督促すること。 アイフルなども上記に違反し業務停止処分を受けており、最近ではこういった違法行為に対しては厳しい処分が実施されるようになりました。特に1の勤務先への督促の禁止は、取り立てる側にとっては厳しい規制です。「正当な理由」がどのようなケースなのかは明確ではありませんが、少なくとも自宅やアパートに居住しているのが明確で、電話番号や携帯電話がわかっている状態では認められない気がします。しかし、それをいいことに返済をせずに連絡を怠っていると法的な手続きが進み、強制執行を受けることになりますので、気をつけましょう。 貸金業法:誇大広告の禁止 返済能力がない者を対象としたり、借り入れが簡単なことを過度に強調することは違反となります(他で断られた方でもOK等)。また広告には必ず届出している電話番号と登録番号の記載が義務付けられていますので、記載のない広告は違反業者(悪徳業者)と判断することができます。また、まともな業者は業務停止を恐れますので、平気で誇大広告をする業者は、業務停止が怖くない悪徳業者ということになります。 具体的には一時的な低金利をあたかも恒常的に行っているように見せかけることも禁止されています。キャンペーンで一定期間しか取り扱っていない場合にはその旨を明記することが必要です。他社の債務をまとめて一本化することや、他社の分を低金利で借り替える事を促すのも禁止されています。いわゆる「おまとめローン」は貸金業法では禁止されています。ただし、銀行法の適用を受ける銀行などは対象外なので「おまとめローン」の名称を使用している場合もあります。銀行以外で特に貸金業登録番号が(1)の業者が債務の一本化を広告で歌っている場合にはほぼ悪徳業者であるといえます。 貸金業法:みなし弁済 利息制限法の上限金利を超えた金利で貸付をした場合、超過分について借りた側が返還請求を行うことができます。しかし、一定の条件を満たすと借りた側が任意で支払ったとみなされる「みなし弁済」が適用されて、返還請求が無効となります。 この規定が43条に定められていますが、貸金業者にとっては厳しい条件で、判例でもみなし弁済が認められたケースはほとんどありません。条件はいくつかありますが、中でも業者にとってもっとも困難な条件は「受取証書の速やかな交付」という条件です。つまり返済の都度領収証を発行しなければならないということです。 クレジットカードの支払いは口座引落がほとんどで、もちろん領収証は発行されませんので、クレジットカードのキャッシングはこの条件を満たさないことになります。消費者金融からの借り入れでも振込みにより支払いが1回でもあれば用件を満たしません。この用件を満たさなければ上限利息を超えていることを借りた側が認識していたとしても、返還請求が可能なのです。 つまり、みなし弁済の規定は現状では有名無実の規定となっているため、返還請求の増加によりクレジットカード会社や貸金業者の利益を圧迫しているのです。 貸金業法:受取証書の交付 受取証書はいわゆる領収書ですが、貸金業法では返済の都度直ちに交付することになっています。しかし、クレジットカードでのキャッシング利用は口座引落がほとんどなので、実際には交付されていないのが現状です。 貸金業法が改正されいわゆるグレーゾーン金利が撤廃されることとなりましたが、これまでグレーゾーン金利で貸付していた分は請求があれば過払い分を返却しなくてはなりません。これを拒否するには厳しい条件がありそのひとつに「受取証書の交付」があります。受取証書には残高や、貸付金利など所定の項目が記載されてなくてはならず、支払いの都度すぐに交付することが条件となります。現実的にクレジットカード会社で自動引き落としの分や消費者金融でも振込み支払いがあれば用件を満たさないことになります(1回でも交付していないと条件を満たしません)。そのため、毎回店頭で支払いをしていない限り、過払い利息の返還請求を拒否することは困難となっており、各クレジットカード会社や消費者金融業者の収益を圧迫しているのです。 貸金業法:指定個人信用情報機関 2006年の貸金業法改正により新たに設立を求められているのが「指定個人信用情報機関」です。現在個人信用情報機関はクレジットカード会社・銀行・消費者金融業者の3つのグループに分かれており、相互の情報交換はCRINといわれるシステムで、一部のネガ情報を共有しているのみです。現在のシステムでは多重債務者を防止することは困難であるため、貸金業者は統一された個人信用情報機関の会員となり情報をすべて共有することを義務付けたものです。 2008年4月現在、指定信用情報機関にはCIC,CCB,テラネットの3機関が登録を予定しています。本来ひとつの機関に全ての業者が加盟すればシステムがそのまま利用できます。しかし、未登録の業者がひとつの機関にいっせいに申請を行なうと事務処理がパンクする恐れがあります。そのため系列ですでに加盟している個人信用情報機関を指定機関に登録した上で、指定機関がお互いにデータを共有する方式を採用したようです。 利息制限法と出資法 いわゆるグレーゾーン金利が存在する原因となっていたのがこの二つの法律です。なぜ同じ利息を制限するのに二つも法律が存在し、しかも上限金利がそれぞれ違うのでしょうか? 利息制限法は民法上の上限金利を規定しています。つまり利息制限法の上限金利を越えても支払うほうが認めれば問題はありません。しかし、支払う側が上限金利を超えた分の返還を請求した場合には、貸し付けた側がそれを拒否するには厳しい条件がつきますので、実際問題として返還するケースが多くなります。 これに対して出資法で定める金利の上限はこれを超えると刑事罰が規定されているため、貸し付ける側は守らなくてはならない絶対的な制約となります。 この二つの法律の上限金利は20%と29.2%で10%近い開きがありましたが、貸金業法の改正に伴い出資法も改正され利息制限法の上限の20%まで引き下げられました。施行まではまだ時間があります(2010年)が、クレジットカード会社や消費者金融業者は前倒しで金利引き下げを行っています。 利息制限法:上限金利 利息制限法では利息の最高限は貸付の元本金額に応じて定められています。 10万円未満 20% 10万〜100万円未満 18% 100万円以上 15% この上限金利を超えて貸し付けた場合、超過部分は無効とされますが、任意に支払った場合には超過部分の返還はできないと規定されています。任意に支払ったかどうかの判断は貸金業法43条に定められている「みなし弁済」により判断されますが、この規定は判例により厳密に判断されるため、現実的には有名無実となっています。 現実的な金利体系としてクレジットカード会社や貸金業者の定番となりつつあるのが、100万円の貸付金額を基準として、100万円未満が18%、100万円以上が15%というラインです。今後はこのラインを基準として各社特徴を出していくことになるでしょう。 2008年4月現在で大手消費者金融会社は軒並み最低金利を10%未満に変更しています。「サラ金」と呼ばれた時代には考えられない状況です。消費者金融業界は生き残りをかけた低金利競争となっていますが、逆に収益を圧迫することにもなり諸刃の刃ともいえるでしょう。 利息制限法:遅延損害金 返済が遅延したことにより請求ができる遅延損害金については、上限金利の1.46倍を超えることができないとされています。つまり20%の場合は29.2%、15%の場合は21.9%となります。遅延損害金は弁済日の次の日から支払うまで毎日加算されます。借入金利の1.46倍の金利を払わなくてはいけないので、遅れるほど支払い金額が増え続けていきます。 貸金の契約上ほとんどの場合一日でも支払いが遅れた場合には、一括で請求することが規定されています。月々の金額に遅延損害金が加算されているうちは、まだいいですが、万一一括請求になってしまうと、残金全額に対して金利以上の遅延損害金がかかることになります。貸金に関しては消費者保護の規定が多いですが、その分約束を守らない場合のペナルティは決して小さくはありません。 出資法:上限金利 出資法の貸付上限金利は109.5%と定められていますが、これは貸付を業としていない場合、つまり個人間の貸付の場合です。業者として貸し付ける場合には上限金利が29.2%となり違反した場合は5年以下の懲役か1000万以下の罰金となります。 この上限金利が2010年までには20.0%に引き下げられることとなり、利息制限法との間に生じていたグレーゾーン金利が撤廃されることとなりました。いままで利息制限法で20%を超える金利の貸付を禁止していたにもかかわらず、貸金業者はもとより一部上場企業であるクレジットカード会社までもが、なぜクレジットカードのキャッシング金利については上限金利を超えていたのでしょうか? その理由は利息制限法は民事上の規定であり、違反しても本人が超過分を請求しない限り、何の罰則もなかったからです。しかも超過金利分が請求により戻る可能性があることは、最近になるまで消費者はわからず、貸付側が利益を上げていたのです。 ところが最近になり最高裁の判例などから超過金利はほとんど返還が認められることがわかり、訴訟が相次ぎ逆に貸金業者やクレジットカード会社の利益を圧迫し始めました。 その上、貸金業法・出資法の改正により法律的にもグレーゾーン金利が撤廃され、今までの利益を吐き出した上に今後、企業の存続にも不安が残る状況となっています。出資法の改正は貸付業者の審査基準を引き上げることを余儀なくし、逆に借り入れできなくなる消費者や中小企業が多くなり、闇金からの借り入れや自己破産の増加を招く危険性もはらんでいます。公共機関による多重債務者の防止対策も考えないと、片手落ちになるような気がします。 割賦販売法 割賦販売法はクレジットカードを含めたショッピングクレジットの取り扱いについて定めた法律で、訪問販売等での強引な商法から消費者を守るために制定された経緯があります。クーリングオフはその代表的なものです。 最近では次々商法などショッピングクレジットを悪用した悪徳商法が問題となっています。ショッピングクレジットの月々の支払い金額だけを消費者に伝え、高額であることを隠す商法がはびこり、クレジット会社の加盟店に対する管理責任が問題となっています。また、悪徳商法であってもクレジットの支払い義務が残る現在の制度を根本的に解決するため、割賦販売法の改正の動きも出ています。 クレジット会社にとっては貸金業法の改正に続き、業務負担となる改正となりそうです。 割賦販売法:定義 割賦販売とはいわゆる分割払いのことですが、2か月以上かつ3回以上に分割することが条件となっているので1回、2回払いは対象となりません。割賦購入あっせんとはいわゆるショッピングクレジットのように、クレジットカード会社があなたの替わりにお店に商品代金を立て替え、あなたから分割で支払ってもらうことをいいます。クレジットカードのショッピングもこれに含まれますが、さらにショッピングクレジットは個品割賦あっせん、クレジットカードの場合は総合割賦あっせんといいます。 個品割賦はショッピングクレジットやオートローンなど商品を購入する都度契約を交わす制度で、審査もその都度行います。一方、総合割賦はクレジットカードのように利用枠をあらかじめ設定しその範囲内で、何度でもショッピングの利用ができる制度で、利用枠の範囲内では再度審査をすることはほとんどありません。 割賦販売法:書面の交付 割賦販売法ではショッピングクレジットなどを契約した際には契約書の控えを速やかに顧客に渡すことを義務付けています。これを書面の交付といいますが書面を交付する義務は販売業者にあります。 この書面の交付には大きな意味がありいわゆるクーリングオフに関して大きな意味を持ちます。訪問販売など通常の店舗以外で商品を購入した場合には、消費者保護のため8日以内であれば無条件でキャンセルが可能となります。これをクーリングオフといいますが、この8日間は書面の交付から起算されます。つまり、書面を渡さない限りは永遠にクーリングオフが可能という状態が続きます。 割賦販売法:指定商品等 割賦販売法の対象となるのはすべての商品ではなく、定められている指定商品指定権利・指定役務といわれるものに限られます。 指定商品は「定型的な条件で販売するのに適する商品で政令で定めるもの」と定義されており、健康食品(医薬品を除く)、貴金属、事務用機器、家電製品、自動車、化粧品など54商品となっている。 指定権利は施設を利用したり役務の提供を受ける権利で日常的なもの、スポーツ会員権、エステ、語学教室などのことをいう。 指定役務は日常的なもので有償で提供される役務のことをいい、リゾート施設、スポーツ施設の利用、エステサービス、家庭教師は件、住宅リフォーム、白蟻駆除などがある。 2008年4月現在で割賦販売法はまだ改正されていませんが、改正後はこの指定商品はほとんどの商品が対象となる予定です。 割賦販売法:所有権の推定 割賦販売法では民法上のルールとして所有権については次のように規定しています。割賦販売によって購入した商品の所有権は支払いが完済するまでは割賦購入あっせん業者にあると推定しています。つまりクレジットで購入した商品の所有権は支払い完了まで、クレジット会社にあるため、完済前に売ることはできません。万一売却した場合には残金を一括で支払うよう請求されます。悪質な場合には詐欺の罪に問われることもあるので注意しましょう。クレジットカードの場合には会員規約違反となりますので、クレジットカードの利用停止となります。 本人確認法 本人確認法は本来テロ対策のために金融機関において顧客の取引記録の作成や保管を義務付けたものです。たとえば預金通帳を作る時にも、確かに本人である公的証明(免許証写しなど)を確認することにより、テロ資金やマネーロンダリングを防ぐということです。 金融機関は銀行に限らず、広く保険会社やクレジットカード会社までも含むため、現在ではクレジットカードの申し込みにおいても身分証明書の写しが必要になってきたのです。 クレジットカード会社にとっては逆に有利になったことがあります。それまではクレジットカードを作っていただくという立場上、あまり面倒な書類をお客様に要求できなかったのですが、この法律ができたおかげで堂々と免許証の写しや住民票を請求できるようになったのです。 これがなぜ有利かというと虚偽の申し込みを受ける可能性が低くなったということです。それまで、他人になりすましたり、存在しない人物で申し込んだりするケースもあったので、身分証明書の添付は審査担当者にとってはありがたいことでしょう。 本人確認法:定義 第二条 この法律において「金融機関等」とは、次に掲げるものをいう。 1.銀行 2.信用金庫 3.信用金庫連合会 4.労働金庫 5.労働金庫連合会 6.信用協同組合 7.信用協同組合連合会 8.農業協同組合 9.農業協同組合連合会 10.漁業協同組合 11.漁業協同組合連合会 12.水産加工業協同組合 13.水産加工業協同組合連合会 14.農林中央金庫 15.商工組合中央金庫 16.保険会社 17.保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第七項に規定する外国保険会社等十七の二 保険業法第二条第十八項に規定する少額短期保険業者 18.証券会社 19.外国証券業者に関する法律(昭和四十六年法律第五号)第二条第二号に規定する外国証券会社 20.証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第三十二項に規定する証券金融会社 21.投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第十八項に規定する投資信託委託業者 22.共済水産業協同組合連合会 23.信託会社 24.信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第二条第十一項に規定する信託受益権販売業者 25.無尽会社 26.抵当証券業の規制等に関する法律(昭和六十二年法律第百十四号)第二条第二項に規定する抵当証券業者 27.商品投資に係る事業の規制に関する法律(平成三年法律第六十六号)第二条第五項に規定する商品投資販売業者 28.不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第二条第五項に規定する不動産特定共同事業者 29.貸金業の規制等に関する法律(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者 (以下省略) クレジットカードカード会社や消費者金融業者も本人確認法の対象となるのは、上記の第2条29項に規定されている貸金業者であることが根拠となっています。 本人確認法:本人確認義務 本人確認法で義務付けられている確認義務は、個人だけではなく法人にも適用されます。個人の場合は氏名・住所・生年月日を証明する書類が必要ですが、クレジットカードを申し込む場合の添付書類としては一般的に運転免許証、健康保険の写しや住民票などで対応しています。 法人の場合には商業登記簿謄本などを添付することになりますが、代表者個人の本人確認も必要となります(金融機関などで窓口に来た人が代表者でない場合にはその担当者の本人確認も必要となります)。 第三条 金融機関等は、顧客又はこれに準ずる者として政令で定める者(以下「顧客等」という。)との間で、金融に関する業務その他の政令で定める業務(以下「金融等業務」という。)のうち預金又は貯金の受入れを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引(以下「預貯金契約の締結等の取引」という。)を行うに際しては、運転免許証の提示を受ける方法その他の主務省令で定める方法により、当該顧客等について、次の各号に掲げる顧客等の区分に応じそれぞれ当該各号に定める事項(以下「本人特定事項」という。)の確認(以下「本人確認」という。)を行わなければならない。 一 自然人 氏名、住居及び生年月日 二 法人 名称及び本店又は主たる事務所の所在地 2 金融機関等は、顧客等の本人確認を行う場合において、会社の代表者が当該会社のために預貯金契約の締結等の取引を行うときその他の当該金融機関等との間で現に預貯金契約の締結等の取引の任に当たっている自然人が当該顧客等と異なるとき(次項に規定する場合を除く。)は、当該顧客等の本人確認に加え、当該預貯金契約の締結等の取引の任に当たっている自然人(以下「代表者等」という。)についても、本人確認を行わなければならない。 3 顧客等が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他の政令で定めるものである場合には、当該国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他の政令で定めるもののために当該金融機関等との間で現に預貯金契約の締結等の取引の任に当たっている自然人を顧客等とみなして、第一項の規定を適用する。 4 顧客等(前項の規定により顧客等とみなされる自然人を含む。以下同じ。)及び代表者等は、金融機関等が本人確認を行う場合において、当該金融機関等に対して、顧客等又は代表者等の本人特定事項を偽ってはならない。 個人情報保護法 個人情報の保護法はクレジットカード業界にとっては、大変影響の大きい法律となりました。というのもクレジットカード業界は個人情報の収集と利用によって成り立っている業界だからです。 クレジットカードの申込書に記載された個人情報を、コンピューターの中に大量に保管し、さらに個人信用情報機関からも情報を得たり、逆に情報を流したり、また、自社での利用状況についても随時情報を蓄積しています。つまり、クレジットカード会社に勤務する社員は、個人情報の中で仕事をしており、正社員・アルバイト・派遣社員を問わず個人情報を目にせずには仕事ができないといっても過言ではありません。 プライバシーマークを取得することで個人情報保護をアピールしている会社もありますが、プライバシーマーク自体は中小企業でも取得できるいわば最低限の資格に過ぎません。問題は実際に漏えい事故などを起こさないことにあります。 一方個人情報保護法が施行されてから消費者の反応も過剰になっているところがあり、一昔前までは平気で手紙の裏に住所・氏名を記入していたのに、今では封書の裏面に住所・氏名欄があることがおかしいとまで言うようになってしましました。問題は個人情報が大量に漏えいしたり、個人の信用情報が漏れたりすることであって、氏名や住所が封書に記載されていてもそれほど問題はないはずなのですが、少し過剰反応があるようです。 クレジットカード会社の業務において個人情報保護法が一番影響しているのは、やはり審査業務と督促業務であると思います。一度取得した個人情報は本人の承諾なしには、ほかの目的に利用できないことが定められていますので、審査が終了した後(クレジットカードを発行した後)で勝手に再度審査を行い、クレジットカードの利用枠をアップすることはできないのです。 督促業務では、遅れている会員の自宅を訪問したり、居住しているかどうか確認したりすることもありますが、このとき手ぶらで行くことはありません。必ず資料を持ち出しますが、それにももちろん個人情報が記載されています。まさに、個人情報の漏えいと隣り合わせの状況で仕事をしていることになるのです。しかしクレジットカード会社としては宿命的に個人情報をかかえているわけですから、この管理がきちんとできている会社が、今後生き残っていくのは間違いありません。 個人情報保護法:定義 ◆個人情報 生存する個人に関する情報で、その情報に含まれる 氏名、生年月日など特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合 することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。 ◆個人情報データベース 個人情報を含む情報の集合物であって、次に掲 げるものをいう。 一 特定の個人情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの 二 前号に掲げるもののほか、特定の個人情報を容易に検索することができるように体系的に構成した ものとして政令で定めるもの ◆個人情報取扱事業者 個人情報データベース等を事業の用に供している者 をいう。ただし、国の機関 、地方公共団体、独立行政法人等公共機関やその取り扱う個人情報の量及び利用方法からみて個人の権利利益を害するおそれが少ないものとして政令で定める者を除く。 個人情報保護法:第三者提供 個人情報の第三者への提供は原則禁止されていますが、本人の同意があれば提供可能です。そのほかにも下記の場合には法律的に認められています。 1.法令に基づく場合 2.人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難で あるとき。 3.公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を 得ることが困難であるとき。 4.国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を遂行することに対し て協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ることにより当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。 クレジットカード会社が業務委託以外で、個人情報を第三者に提供するケースはほとんどないといっていいでしょう。クレジットカード会社に勤務していた時期にプライバシーマークの取得について担当となったことがあり、個人情報の流れを洗い出しましたが、第三者提供はありませんでした。 個人情報保護法:業務委託 クレジットカード会社では社内だけで業務を行っているわけではなく、むしろ社外へ業務を委託(アウトソーシング)しているケースが増えています。この業務委託に関しては本人の同意を得る必要はありませんが、個人情報保護法では下記のように規定されています。 第22条 個人情報取扱事業者は、個人データの取扱いの全部又は一部を委託する場合は、その取扱いを委託された個人データの安全管理が図られるよう、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行 わなければならない。 個人情報を業務委託するケースとしては個人情報の移動に伴う宅配業務などが代表的なものです。宅配業者が個人情報を紛失するケースもありますが、委託した側に監督責任があるため損害賠償が発生した場合には、委託した企業が顧客に対して責任を負うことになります。委託業者が責任を負うのはあくまで委託した企業に対してのみということになります。 個人情報保護法:開示 25条では保有個人データの開示について下記の規定がなされています。 第二十五条 個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの開示(当該本人 が識別される保有個人データが存在しないときにその旨を知らせることを含む。以下同じ。)を求めら れたときは、本人に対し、政令で定める方法により、遅滞なく、当該保有個人データを開示しなければ ならない。ただし、開示することにより次の各号のいずれかに該当する場合は、その全部又は一部を開 示しないことができる。 一 本人又は第三者の生命、身体、財産その他の権利利益を害するおそれがある場合 二 当該個人情報取扱事業者の業務の適正な実施に著しい支障を及ぼすおそれがある場合 三 他の法令に違反することとなる場合 この条項に基づいてクレジットカードの申し込みが却下された理由の開示を求めることができるでしょうか?結論から言うと直接的に却下理由を開示させることは難しいと思われます。 クレジットカードの審査基準については開示義務はありませんので公開は不可能です。審査基準を示さずに却下理由を説明することは不可能なので直接的な開示は困難と判断されます。 しかし、却下する理由は自社利用状況、他社利用状況および申込書記載内容で判断されたものであることは間違いありません。 少なくとも自社の利用状況は個人データの一部となりますので開示要求は可能と判断されますので、その情報から却下理由が判断できる可能性はあります(他社情報は個人信用情報機関へ情報開示ができます)。 個人情報保護法:利用目的 第15条では個人情報取扱事業者は個人情報を取り扱う場合その利用目的を明らかにすることを求めています。そしてその明らかにした利用目的については、勝手に変更することも、その目的を超えて利用することも禁じています。ただし本人の同意を得た場合や本人の同意を得ることが困難で生命や財産の保護のために必要な場合や、国や地方公共団体が法令に基づく事務を遂行する場合などは例外として許されています。 クレジットカードなどを申込む場合の個人情報に関する利用目的は、申込者の信用状況を調査するという目的に限定されています。親子・夫婦であっても個人としては別なので、家族の利用状況については審査の対象外となります。つまり本人の同意なく個人情報を利用できないため、家族の利用状況を調べること自体が法律違反となります。 個人情報保護法:訂正 クレジットカード会社などに個人情報の開示を求めて情報が提示され、万一その情報が事実と異なる場合には、情報の訂正を求めることができます。もしその間違った情報に基づいてクレジットカード申込が却下されたのであれば、クレジットカードの審査をやり直すことも当然要求できます。この根拠となる条項は下記のとおりです。 第二十六条 個人情報取扱事業者は、本人から、当該本人が識別される保有個人データの内容が事実でな いという理由によって当該保有個人データの内容の訂正、追加又は削除(以下この条において「訂正等」 という。)を求められた場合には、その内容の訂正等に関して他の法令の規定により特別の手続が定め られている場合を除き、利用目的の達成に必要な範囲内において、遅滞なく必要な調査を行い、その結果に基づき、当該保有個人データの内容の訂正等を行わなければならない。 2 個人情報取扱事業者は、前項の規定に基づき求められた保有個人データの内容の全部若しくは一部に ついて訂正等を行ったとき、又は訂正等を行わない旨の決定をしたときは、本人に対し、遅滞なく、その旨(訂正等を行ったときは、その内容を含む。)を通知しなければならない。 【トップへ】 クレジットカード♯ > クレジットカード% |