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督促の実態

カード会社からの督促は受けないにこしたことはありませんが不測の事態は常にあり得ることですから、その時になってあわてないよう督促業務の流れを簡単にお知らせします。もちろんカード会社によって細かい点は違ってくることもありますが、基本部分は同じですのでポイントは押さえておきましょう。

比較的早期の遅れ

クレジットカード利用代金の遅れへの対応はカード会社によって違いますが、遅れが発生したばかりの時はアウトソーシング(外部委託)で電話連絡するケース、振込用紙を送付するケースなどソフトな対応を行う会社が多いようです。早期の遅れは本人の不注意や、勘違い、初回の口座振替処理の遅れなどが原因となる場合もあり、あまり顧客を刺激しないようにしているのだと思います。

2回目の口座振替日があるカード会社もあり、その場合は再度振り替えする手数料が上乗せされます(200円程度)。早い段階で口座引き落としができなかったことに気づいて、すぐに振込みをした場合には遅れの記録として残らないクレジットカード会社もあるようです。

たとえ遅れが記録として残っても初期段階での1回程度の遅れでは、その後の信用状況に及ぼす影響はほとんどありません。しかし、すぐに振り込めば大丈夫といっても毎回口座から引き落としにならないようでは、信用状況にも影響があります。基本は遅れないことだということを肝に銘じておきましょう。

ショッピングとキャッシングで違う督促方法

実はショッピング利用とキャッシング利用では督促業務が大きく異なる点があります。遅れが進んでいくとカード会社は最終的に強制執行ができる状態にもっていこうとします。この状態を難しく言うと「債務名義を確定させる」といいます。つまりこの債務名義が確定するまでは強制執行ができません。そのためにカード会社が最初にすることは、期限の利益を喪失させることが必要となります。

期限の利益を簡単に説明します。
クレジットカードで商品を購入した場合、支払開始までに商品を使うことができます。しかも支払いは月に1回ですから、完済までに1年以上かかることも珍しくありません。つまり顧客のメリットである時間的な利益を期限の利益といいます。

逆に分割で支払うという顧客のメリットをなくすことを「期限の利益の喪失」といいます(期限の利益が喪失すると、顧客は残金を全額一括で支払わなくてはいけません)。

※期限の利益の喪失=一括で全額支払わなければいけなくなる

このように期限の利益を喪失させることがカード会社にとって、法手続きを進める第一歩となるのですが、キャッシングについては1回でも遅れた場合には期限の利益が喪失します。ショッピング利用分は督促状を送付してから支払いまでに20日以上の期間をおいて、それでも全額の支払いがない場合に期限の利益が喪失(一括請求される)します。

具体的にいうと通常、内容証明で遅れ分の請求が届きます。20日後までに遅れ分と延滞利息を支払わないと一括で請求しますという内容です。これに対して期限を1日でも守らなかったり、1円でも不足して支払うと(延滞金も含めて)、法律上一括請求が可能となります。

キャッシング利用の遅れについては法手続きにかかる時間が短縮されるため、遅れないように十分気をつける必要がありますが、ショッピング利用であっても1回払いについては期限の利益がありませんから遅れた段階で、キャッシングと同じ対応になります。

法手続きの流れ

クレジットカード会社は督促の状況により、法手続きを早めに進めてきます。法手続きの最終目標は強制執行(債務名義の確定)にありますが、そこに至るまでには数ヶ月かかりますので、早めに対応するのです。

1.配達証明付督促状の発送・・・・約3週間経過しても支払いがない場合2へ
2.支払督促の申し立て・・・・・・・・2週間以内に異議の申立がない場合3へ
3.仮執行宣言付支払督促・・・・・・2週間以内に異議の申立がない場合4へ
4.債務名義の確定・・・・・・・・・・・強制執行が可能

1だけはクレジットカード会社から発送されます。ここで延滞金も含め全額遅れ分を支払うと、法手続きは中断します。支払いがないまたは不足の場合は次の段階に進みます。2からは簡易裁判所(金額によって地方裁判所)からの送達となります。2と3が届いてから2週間以内に異議を出さないと4まで進み債務名義が確定します。

チャンスは3回のみです。1回目のチャンスは全額支払う必要がありますが、2,3回目のチャンスは文書で裁判所に異議の申立を出す必要があります。

これを放っておくと取り返しがつかないことになります。裁判所から通達が来た時点であきらめてしまう人もいますが、通達が来た時点では手続きを受理したという段階ですから、まだチャンスはあります。

内容は一括で支払いなさいという内容なので、一括では支払えないという異議を出して、口頭弁論を開いてもらいます。そこで自分で支払える方法を主張し、和解まで持って行きましょう(裁判官も基本的には和解を勧めます)

最近ではこういった法手続きの知識が一般の人にないのをいいことに、架空請求でも支払督促を利用する悪質なケースがあります。裁判所は申し立てた内容が正しいかどうかは、相手方から異議が出るかどうかで判断します。つまり、何もしないと正しいものと判断され、確定してしまいます。

確定してから覆すのは手間ひまがかかりますので、被害に会わないためにも法手続きについての理解を深めましょう。(司法書士などのホームページをみると申立ての雛形や書き方が記載されています)

強制執行の種類

何度か債務名義のお話をしていますが、債務名義があると強制執行が可能です。その債務名義を簡単に説明すると裁判所が請求する権利を認めたもので、いわば裁判所のお墨付きというべきものです。

法手続きで段階を経て得たものの他に、裁判所の判決や調停調書、和解調書、そして公正証書があります。公正証書は第三者(公証人)が証人となって作成する文書で、高い証拠能力が認められており、強制執行に関する約款を加えると債務名義となります。今でも高額なオートローンや貸付をする場合には公正証書の作成を条件にする場合があります。

さて、この債務名義が確定すると強制執行が可能ですが、どのようなものがあるのでしょうか?

* 動産執行
* 不動産執行
* 給与差押
* 預金差押

動産の差押は昔ほど一般的ではありません。動産とは不動産(土地・建物)以外のすべてのことをいいますが、一般の家庭に差押をして回収をはかれるような動産はあまりありません。クレジットを利用して購入したものは、もともとクレジット会社のものなので、返却しなくてはいけないので差押の対象にはなりません。差押までされるケースでは現金で購入している動産はほとんどないか、あっても価値の低いものが多いのです。

不動産についてもほとんどは住宅ローンの担保となっており、差し押さえをしても余剰がないのが現実です。預貯金も有り余っている人は遅れることもないでしょうから、あまり効果は期待できません。いちばん現実的なのは、給与の差押でしょうか。

民間企業に勤務している場合は退職するケースもありますが、公務員などはなかなか退職は難しいので、給与の差押の対象になることが多いようです。給与の全額は差し押さえができません。社会保険料を差し引いた1/4が対象となります。ただし議員報酬など全額差押さえが可能なものもあります。

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