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クレジットカードは必要悪なのか

今回は少し理屈っぽいテーマについて考えていきたいと思います。テーマはずばりクレジットカードは必要悪なのか。まずは「必要悪」の定義を明らかにします。goo辞書で必要悪を引いてみると「ない方が望ましいが、組織などの運営上また社会生活上、やむをえず必要とされる物事」と説明されています。簡単に言うと必要悪とは悪だけど必要なものというわけです。例えば、必要悪の実例として以下のようなものを挙げることができます。

・体罰:諭してもイジメをやめない生徒に体罰を振るうことは必要悪だ。
・風俗:風俗は性病の温床になっている。しかし、風俗がなければ性犯罪が増えるため必要悪だ。
・サラ金:生活が苦しいかたといってサラ金からお金を借りるとますます生活が苦しくなる。しかし、サラ金がなくなれば消費者はヤミ金に流れるためサラ金は必要悪だ。
などという使い方がされています。

必要悪について理解ができたところで本題に入ります。クレジットカードは必要悪なのではないのかという論点があります。どういうことかというと、クレジットカードが使われると加盟店は売り上げの3〜5%の加盟店手数料をカード会社に支払わなければいけません。そこで加盟店は、加盟店手数料による損失を穴埋めするために商品の値段を高めに設定しているのではないか。つまり、世の中にクレジットカードがなければ、モノの値段はもっと安くなるのではないか。手持ちのお金がなくてもモノを買いたいという利便性と引き換えに私たちは見えない負担を強いられているのではないかという意見です。

なるほど、確かに現金主義の商売に徹することによってコストを抑えている店もありますし「クレジットカードを使わないから負けてくれ」と言って値引きに応じるお店があることを考えるともっともらしい意見です。

この意見に対してさまざまな反対意見を挙げることができます。

例えば「お店が加盟店になればカード払いの好む客を取り込むことができる。その結果、売り上げがあがるため商品を安く提供することができる」という意見です。しかし、反論材料としては弱いと思います。クレジットカードがなくても現金で買うこともできますし、手持ちのお金がなければ出直すこともできます。高額商品についてはお金を貯めて購入することもできます。つまり、長い目で見れば、クレジットカードがあろうがなかろうが売り上げは変わらないのではないか。むしろクレジットカードが存在すると、カード会社にピンハネされる分だけ消費が少なくなるのではないかと考えることもできます。

「クレジットカードにはポイントサービスや盗難保険などがついているため加盟店手数料以上のメリットがある」
という意見もありますが、クレジットカードのサービスの原資は、加盟店やカード会員から徴収しています。ですからこの論拠だけでは弱いのですが、さらに発展させて「カード会社は分割・リボ払いやキャッシングによる金利手数料を原資として、クレジットカードの各種サービスを提供している。したがって、一括払いでクレジットカードを使う限り加盟店手数料以上の利益を受けることができる」と言うと説得力が出てきます。事実、クレジットカードの使い道を一括払いのカードショッピングに限定するとカード会社は倒産すると言われていますからね。

「クレジットカードがあれば、現金収受にかかわるコストを下げることができる」。
この意見が一番説得力があります。リアル店舗での支払いでは、現金払いだろうがクレジットカードで支払おうが大差はありませんが、ネットショッピングでは大きな違いがでてきます。ネットショッピングでの支払い方法としては、銀行振り込みや代金引換などがありますが、これらの手数料はクレジットカードによる加盟店手数料よりも高くつきます。手間という観点から見ても大きな違いがあります。銀行振り込みやコンビニ払いの場合は支払いのためにわざわざ出向かなければいけませんが、クレジットカードを使えばパソコン画面の前で支払うことができます。

今度は加盟店の立場になって考えましょう。現金払いには、お釣りの間違いやつり銭の用意・盗難のリスクなどが発生します。 ここでクレジットカード払いを取り入れることによって現金取り扱いにかかわるコストを下げることができます。しかし、現金主義のお店があることを考えると加盟店手数料以上のメリットがあるかどうかはなんとも言えません。ではネットショップにおいてはどうでしょうか。お店が銀行振り込みを取り入れると、それを確認する手間や振り込み金額に間違いがあった場合のやりとりなどの手間が発生します。クレジットカード払いを採用すれば、このような手間をカード会社が代行してくれます。

つまり、クレジットカードの導入によって手間を省けるという点にコスト以上のメリットが見出せるのです。この利点を考えると、しばしば必要悪と形容されるサラ金と同列に語ることはできないと思います。特に近年は、インターネットの普及によっていよいよクレジットカードの本領が発揮されていると言えるのではないでしょうか。

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